台湾世界遺産登録応援会2022年度総会を開催 李世丙副代表が講演

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参加者(一部)と記念撮影する李副代表(中央)、左の女性は王センター長、右の男性は八田代表理事

「玉山国家公園」「阿里山森林鉄道」「太魯閣国家公園」などの世界遺産登録をめざす台湾を日本から後押しようと結成された一般社団法人「台湾世界遺産登録応援会」(八田修一代表理事)の第9期会員総会が6月4日、東京都内で開かれた。オンラインを含め約60人が集まり、2022年度の活動方針などを全会一致で決定した。総会の後、台北駐日経済文化代表処(在日台湾大使館に相当)の李世丙・副代表が「台湾世界遺産候補地~百年の民間交流の歩み」という題で講演し、参加者は熱心に耳を傾けた。

 活動方針が決定したことにより、応援会は22年度も例年通り、「台湾フェアin群馬」「杉並区まるごと台湾」「台湾ウィークin横浜」など各地のイベントに参加することが決まった。

 また、新型コロナの状況しだいなものの、台湾現地あるいは日本国内の関連地へのスタディ・ツアーを実施すること、日本国内での啓発活動で「台湾世界遺産候補地推薦ポスター」を作成し、台湾料理レストランなどに貼りだすことなども承認された。

講演する李副代表

 李副代表は講演で、候補地の一つで300年以上の歴史を持つ「淡水紅毛城及び周辺の歴史建築」(新北市淡水区)を取り上げた。紅毛城は1628年、スペインにより建設された。その後、オランダの支配になり、1644年にほぼ現在の姿になった。その後は、清(中国)、日本、英国、オーストラリア、米国の手を経て1980年に台湾政府に引き渡され、現在は国家1級古蹟(文化財)として周辺地区を含めて整備が進められている。李副代表は「多数の国が関わっており、世界遺産にふさわしい」などと力説し、会場から「行ってみたい」などの声があがった。

 台湾では文化部(日本の文科省に相当)が中心となり、18か所の候補地が選定されている。しかし、台湾は中国の反対によりユネスコ(国連教育科学文化機関)に加盟できていないため、今のところ登録は実現していない。

 同代表処台湾文化センターの王淑芳センター長も会場に足を運び、李副代表ともども参加者らとの記念撮影に応じていた。

 同応援会は現在、入会金が無料となる「仲間を増やそうキャンペーン」を実施中、詳細はHP(会の名前で検索)で、HPから入会申請ができる。スタディ・ツアーなどの情報も同じHPで公表される予定。